明治維新史や自由民権運動史の権威で名城大名誉教授の歴史家、原口清(はらぐち・きよし)さんが14日に死去していたことが分かった。94歳だった。葬儀は近親者で既に済ませた。お別れの会などは未定。

 原口さんは1922(大正11)年、静岡県地頭方村(現・牧之原市)生まれ。旧制静岡高校を経て中国戦線に従軍し、戦後に東京大学を卒業した。静岡大教授などを歴任、78年に県近代史研究会を設立し、初代会長となった。県史の編纂(へんさん)にもかかわった。80年には明治維新史学会の前身組織の設立も主導した。著書に「日本近代国家の形成」「戊辰戦争」などがある。

 県近代史研究会会長の橋本誠一静岡大教授は「分け隔てのない穏やかな人柄で、周囲には自然と人が集まった。維新の担い手たちの『意志』に着目し、個々人が何を目指していたのかを精緻(せいち)に実証した。スケールの大きい研究者だった」と惜しんだ。

 親交があった黒川みどり静岡大教授は「(著書2冊は)戦後歴史学が生んだ明治維新史研究の金字塔。権威主義の対極にある人柄で、学生との交流を歓迎して幕末政治史の講義をしてくれた」としのんだ。(大内悟史)