長野県の南端に、星の神が宿る「神星なる里」と呼ばれる地があります。標高1200メートルに位置する阿智(あち)村。環境省がお墨付きを与えた「星が最も輝いて見える場所」。その星空を、11月17日、天皇、皇后両陛下が観賞しました。

 「北極星はどこかしらね」。

 「あの星座は何かしら」。

 周囲は真っ暗になった午後8時すぎ。空には数え切れないほどの星々が浮かんでいました。宿舎前の広場に姿を見せた両陛下。寄り添うようにして見上げ、時折指さしながら、お気に入りの星座を探しているようでした。わずか10分ほどの滞在でしたが、とても楽しそうなお二人の姿が印象的でした。

 両陛下は11月16~18日、愛知、長野両県を訪問しました。公務ではなく、私的な旅行の位置づけです。

 私的旅行は2013年に始まり、今回が7回目です。多忙な公務が続く両陛下にゆっくり静養してもらおうと、宮内庁の側近らが企画しました。全国各地にある季節ごとの風景、自然を楽しんでもらう趣旨で、通常の地方訪問と比べ、宮内庁長官や侍従長が同行しないなど、随行者や警備を縮小しての旅となります。昭和天皇も79歳だった1980年に箱根に旅行し、その後、定期的に各地を訪れました。

 訪問先は両陛下の希望を踏まえて決められます。最初の私的旅行は2013年4月、長野県千曲市にある「あんずの里スケッチパーク」でアンズの花観賞が目的でした。この年は春先が暖かく、多くの花が散っていたことから、農家との懇談の場に冷蔵保存していた満開のアンズの花を飾ったそうです。皇后さまは「よく咲かせて頂きました」と喜んだといいます。

 2014年5月の栃木県訪問は、足尾鉱毒事件のゆかりの地をめぐる旅でした。渡良瀬遊水地をはじめ、足尾銅山からの鉱毒被害と闘った田中正造の資料を集めた佐野市郷土博物館に足を運びました。

 2015年6月には、宮城、山形両県を訪問しました。両陛下が同年4月に戦没者慰霊で訪れたパラオ共和国の名にちなんだ宮城県蔵王町の「北原尾(きたはらお)」地区で、パラオからの引き揚げ者と懇談しました。山形県では東根市のサクランボ生産農家、同県河北町の紅花資料館を訪れました。

 今回の私的旅行では、まず愛知県犬山市にある全国最大規模の農業用ため池「入鹿池」を視察しました。入鹿池は1633年の築造で、貯水量は1500万立方メートル。昨年に「世界かんがい施設遺産」に登録されています。天皇陛下は、長く水不足に苦しんだ周囲の住民の助けになったという説明を聞き、「みんなが潤うようになったんですね」と述べました。

 2日目の11月17日には、阿…

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