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 「ばい菌に効く」などとうたい、一定の人気がある「薬用せっけん」。その製造販売業者に対し、国が成分の切り替えを促している。何か問題があったのか。

 薬用せっけんは医薬品医療機器法(旧薬事法)の医薬部外品。いわば医薬品と化粧品の中間で、抗菌成分が一定濃度あれば、国の承認を得て「薬用」と表示、「しっかり殺菌」などと宣伝でき、約40年前から販売されている。学校給食が原因で1996年に堺市で起きたO157による集団食中毒事件で注目を集めた。

 きっかけは米国の動きだった。9月2日、米食品医薬品局(FDA)が抗菌作用があるトリクロサンなどの19成分を含む商品について、米国内での販売を1年後に禁止すると発表した。

 動物実験でホルモン分泌に悪影響を与えた報告があり、FDAが3年前から、有効性などのデータを出すよう製造会社に求めていた。会社側は説明できず、FDAは「普通のせっけんよりも病気や感染症に効果があるという根拠が示されていない」と結論づけた。

 FDAはさらに「長期間の使用で安全性が検証されていない」と警告。トリクロサンが細菌を殺す仕組みが抗生物質に似ており、長く使用すると薬剤耐性菌が出てくる可能性も指摘した。東京農工大の高田秀重教授(環境化学)は「下水などを通じ、環境や野外の生物に影響を及ぼす可能性を否定できない」と話す。

 日本にもすぐ波及した。菅義偉官房長官が同7日、「同様の成分を含む商品の確認を早急に実施し、とるべき措置について検討していく」と表明。日本石鹼(せっけん)洗剤工業会などは同26日、19成分を含まない製品に切り替えるよう会員企業に求めた。

 国内で主に使われているのはトリクロサンとトリクロカルバンの2成分だが、どちらも切り替え対象だ。延べ800品目が承認され、今も50~100品目が流通しているとされる。繁田明広報部長は「米国の業界と同様、我々も反論できない。EUでも昨年禁止され、国際状況や消費者の安心を考え、大局的に判断した」と話す。

 19成分のほかにも抗菌作用が認められている物質はあり、厚生労働省は代替品の「薬用せっけん」の承認申請を1年以内に求める通知を出した。通常は6カ月かかる審査期間を短くする方針だ。

 メーカーの対応はどうか。

 「急な要請に正直、戸惑いもあ…

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