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 「猫」の七章と八章は、「ホトトギス」の明治39(1906)年1月、新春の誌面を飾ったが、思わぬところから批判の矢が飛んできた。

 1月19日、東京朝日新聞記者・杉村楚人冠は「東京朝日新聞」に「とりあへず(一)」を発表した。その中で、「車中近刊の『ホトヽギス』を読む夏目漱石の『我輩は猫である』愈出(いよいよい)でゝ愈拙(つたな)し、此篇初(このへんはじめ)の程こそ着想行文(こうぶん)共に天下の逸品たるを得たれ近頃は次第に調子に乗り過ぎて下らぬことを長々とだらしなく書き延ばすの外(ほか)別の能なきを見る、惜(おし)むべし」と酷評したのである。文末の日付は「十六日午後十一時」。東北地方の凶作の現状をルポする取材旅行の途次、福島の客舎で執筆されたものだ。楚人冠の不満はどこにあったのか。

 七章では、運動を始めた〈吾輩…

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