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 日本原子力研究開発機構は30日、原発の使用済み燃料再処理工場「東海再処理施設」(茨城県)の廃止に向けた工程を原子力規制委員会に報告した。廃止完了までに70年かかり、当面の10年間に必要な費用は2170億円余りと見込む。施設には放射能が強い大量の廃液や、プールの底に山積みされた放射性廃棄物があり、廃止は極めて困難な作業となる。

 報告によると、廃止作業は汚染状況の調査や設備の除染から始め、10年後以降に機器の解体や建屋の除染にとりかかる。再処理で出た高レベル放射性廃液が約400立方メートルあり、12年半かけてガラスで固める作業を続ける。防火や耐震対策などが国の新規制基準に適合しておらず、その対策も合わせて進める。

 ただ、ガラスで固める設備は老朽化で故障が相次ぎ、今年は予定の4分の1しか処理できなかった。中身がよくわからない廃棄物の容器が多数あり、確認のうえ分別しなければならない。使用済み燃料の被覆管が入ったドラム缶は貯蔵プールの底に整理されずに山積みされている。作業のための取り出し装置を新たにつくる必要がある。

 こうした状況から、規制委は、計画通りに廃止作業が進むか疑問を呈している。田中俊一委員長は30日の会見で、「非常にリスクの高い廃棄物が相当ある。ずるずる放置するわけにはいかない」と述べ、原子力機構や所管する文部科学省に改めて説明を求める考えを示した。(東山正宜