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料理研究家 土井善晴さん

 みそ汁といえば豆腐とワカメ、大根と油揚げ。定番の具が思い浮かびます。テレビ番組でも家庭料理をやさしく教える、おなじみの料理研究家、土井善晴さん(59)は歯切れよく「何を入れてもいいんですよ。具だくさんのみそ汁とご飯があれば、十分なんですから」。

 近ごろ、土井さんは「一汁一菜」にしませんかと呼びかけています。ご飯を中心に汁と菜(おかず)をあわせる食事の形です。ただ、おかずは昔の庶民の食卓ではつかないことも多く、ご飯、みそ汁、漬物が基本だったと考えているそうです。

 このシンプルな形をベースにすれば、難しいことはありません。「毎日食べても飽きなくて、元気でいられるんです」

 カギを握るのがみそ汁。具だくさんにすれば、おかずにもなるからです。

 具は何でもオーケー。野菜やキノコ、海藻、大豆食品の豆腐や油揚げ、肉類のベーコンやハム、そして卵。栄養バランスを考え、組み合わせるのが理想的です。煮干しも具の一つとして入れ、食べてしまいます。うまみは出るし、カルシウムもとれます。前日に残った鶏のから揚げとブロッコリー、タマネギ、シイタケに煮干しという組み合わせだって。

 「見た目をとりつくろうことはありません。ムダになる食材も減りますよ」。油揚げやベーコンを入れると、うまみが増し、いい味になります。ただし、野菜をたっぷり入れましょう。

 みそという発酵食品の力も大きい。「みそはうまみの塊。みそにまかせたら間違いない。健康でいるためのかなめの食品ともいえるでしょう」

 辛口の米みそのほか、甘い白みそ、豆みそを常備しておき、気分で合わせるのがおすすめです。寒い季節は白みそを加えると、こっくりとしてあったまりますね。

 具やみその組み合わせを考えれば、みそ汁の世界は無限大。ひとりの食事でも気軽にみそ汁を作ってみませんか。これなら、食事作りのストレスもかなり減るのでは。

(構成・河合真美江)

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作ってみたら

 ひとり分のみそ汁を作ってみました。昆布だしもいらないの? びっくりしましたが。

 うちにあった大根、ニンジン、ネギを適当に切り、鶏のから揚げ1個(買ってきて、このために残しておいた)を半分に切ったものと煮干し1本を加えて煮ました。みそを溶いて、具だくさんのみそ汁のできあがり。から揚げのみそ汁は初めてですが、案外、違和感なくみそ汁になじんでいました。動物性の食材があると、味が安定します。

 私はふだん、昆布と煮干しのだしで夜にみそ汁を作っておき、毎朝あたためなおして食べています。だしをとらなきゃとつい思ってしまいますが、こんな手軽にみそ汁ができるとは。これからも、なんでも入れちゃいます。

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材料と作り方

《1人前》おわん1杯分の具(今回はカブ、カボチャ、ネギ、シイタケ各適量、煮干し2本ほど)、おわん1杯分の水、みそ適量

①カブ、カボチャ、ネギ、シイタケなど入れたい野菜を食べやすい大きさに切る。おわんに入れてちょうどよいぐらいの分量でいい。

②煮干しを含め用意した具を鍋に入れる。おわん1杯分の水を鍋に加えて火にかける。

③沸騰したら、だいたい火が通っているので、好みのみそ(大さじ1ほど)で味つけ、しばらく煮てなじませる。

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 どい・よしはる 1957年、大阪市生まれ。スイスやフランスで料理を学び、帰国して「味吉兆」で修業。「おいしいもの研究所」を92年設立、家庭料理の大切さを説く。テレビ番組「きょうの料理」「おかずのクッキング」の講師。近著に「一汁一菜でよいという提案」。料理研究家土井勝氏の次男。

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