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 安倍晋三首相は5日、米国ハワイ・オアフ島を26、27両日に訪問し、オバマ米大統領とともに真珠湾を訪れると発表した。日本軍が太平洋戦争の戦端を開いた攻撃による犠牲者を慰霊するのが目的。来年1月で退任するオバマ氏と最後の首脳会談も行うとしている。

 首相官邸で記者団に対して明らかにした。首相は「犠牲者の慰霊のための訪問だ。二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないという未来に向けた決意を示したい」と強調。「日米の和解の価値を発信する機会にもしたい」とも述べた。

 首相によると、11月にペルーで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場でオバマ氏と短時間言葉を交わした際、12月に真珠湾を2人で訪問することを確認。米国側は真珠湾が攻撃された12月7日(日本時間8日)直前に首相訪問を発表したいとの意向を日本側に伝えていた。米ホワイトハウスは27日に真珠湾訪問と首脳会談を行うと発表した。

 首相は記者団に対し、オバマ氏が5月に現職大統領として初めて広島を訪問したことを改めて評価。その上で、自身が昨年の米国議会演説で真珠湾攻撃に言及したことに触れ、「真珠湾を訪問することの意義、象徴性、和解の重要性について発信したいと、ずっと考えてきた」と説明した。

 首相周辺などによると、首相は訪問に際して謝罪は予定していないという。犠牲者に献花するほか、真珠湾攻撃の追悼施設「アリゾナ記念館」を見学する見通しだ。岸田文雄外相もハワイに同行する。

 オバマ氏は来年1月に退任するため、両氏による最後の首脳会談となる。首相は記者団に「(オバマ政権との)4年間を総括し、未来に向けてさらなる同盟強化の意義を世界に発信する機会にしたい」と語った。

 日米関係をめぐっては、米大統領選で在日米軍駐留経費の負担見直しなどに言及したトランプ氏が勝利。首相は次期政権の発足を前に、日米同盟の重要性を米国と共有する姿勢を改めて示したい意向だ。

 オバマ氏は今年5月、三重県で開かれた主要7カ国(G7)首脳会議に出席した際、被爆地・広島を訪問。広島平和記念資料館(原爆資料館)を視察し、原爆死没者慰霊碑で献花した後の演説で「核なき世界」の実現に向けた決意を改めて示した。日米両国では、歴史問題をめぐる日米両国の完全な和解をアピールするため、安倍首相の真珠湾訪問を望む声も上がっていた。

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《真珠湾攻撃》 真珠湾攻撃 1941年12月7日(日本時間8日)、山本五十六・連合艦隊司令長官指揮下の日本海軍機動部隊が空母6隻、航空機約350機などで米ハワイ・真珠湾の米太平洋艦隊に奇襲攻撃をかけ、太平洋戦争が始まった。米側は戦艦アリゾナなど21隻が沈没などし、200機近い航空機が破壊され、約2400人の死者を出した。

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 〈訂正して、おわびします〉

 本文中の「日本の現職首相が真珠湾を訪れるのは初めて」を削除します。米政府の公文書などで、1951年に吉田茂首相(当時)が真珠湾を訪問していたことがわかりました。