[PR]

 モルガン・スタンレーMUFG証券の男性トレーダーが西武ホールディングス(HD)株の売買をめぐって相場操縦をしたとして、証券取引等監視委員会は6日、金融商品取引法違反の疑いで同証券に課徴金約2億2千万円の納付を命じるよう金融庁に勧告した。相場操縦の疑いで外資系大手証券会社が課徴金勧告を受けるのは初めてという。

 対象となったのは、証券会社が手持ち資金で金融商品を売買する「自己売買」の部門のトレーダーが、2015年9~10月の計14日にわたって行った取引。

 発表によると、このトレーダーは東証1部上場の西武HD株について、他の投資家を誘うため、買い付ける意図がないのに高値の買い注文を発注。他の投資家が買い注文を入れると、自身の注文を取り消す「買い見せ玉(ぎょく)」という手法で株価をつり上げた疑いがある。

 トレーダーは保有株を高値で売り抜けていたという。違反行為が始まった時点に保有していた株の時価総額を基準にすると、約1億7千万円の利益が出た計算になるという。

 監視委によると、トレーダーは西武HD株の値上がりを見込んで市場で大量に買い付けていたが、株価が想定を下回り、評価損が出る状況になっていた。監視委は、損失を回避するために相場操縦に及んだとみている。上司の指示など組織ぐるみの違反は確認されなかったという。

 同証券は米金融大手モルガン・スタンレーの連結子会社。「勧告を真摯(しんし)に受け止め、内部管理体制の一層の強化を図っている。今般の事態に至ったことは誠に遺憾で、おわび申し上げる」とのコメントを出した。(久保田一道、伊藤和行)