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 不正蓄財や脱税の温床になっているという理由で、インドのモディ政権が高額紙幣を突如廃止したことによる混乱が、1カ月たっても続いている。狙い通り、税務当局が把握しやすいキャッシュレス化の動きがある一方、現金がなくなって困る人々が圧倒的に多い。

 首都ニューデリー郊外にある野菜市場。200軒ほどが並ぶ露店に10日ほど前から、電子決済の取り扱いを示す看板が目立ち始めた。数十円から数百円分程度の支払いを、スマートフォンを使ったネットバンキングで払ってもらう仕組みを採用する店が相次ぐ。

 導入したトマト売りのダヤラムさん(54)は「露店を始めて30年になるが、こんなハイテクを使う時代が来るとは。ただ、使う人は一握りで売り上げは以前の半分も回復していない」。

 モディ首相が「1千ルピー(約1700円)札と500ルピー札を今晩12時に廃止し、2千ルピーと500ルピーの新札を発行する」と宣言し、銀行に旧札を預け入れ、新札を引き出すように促したのは11月8日。ダヤラムさんの店の客が使うような100ルピー札や10ルピー札は無効にはならなかったが、翌朝から買い物客が激減。2、3日で大量の野菜を腐らせてしまった。「農家も仲買人も輸送業者も現金取引だから、ここへ届く野菜がかなり減った」と嘆く。

 銀行ではこの1カ月間、客の長蛇の列が絶えることはなかった。7日会見したインドの中央銀行の幹部によると、流通していた高額紙幣の旧札約15兆ルピー(約25兆円)のうち、銀行を通じて回収した旧札は11兆5千億ルピー(約19兆円)程度。一方、新たに供給した新札は4兆ルピー(約7兆円)弱にとどまる。新札の印刷が間に合わず、引き出し額が制限されたためで、廃止されなかった小額紙幣を合わせても、全土で使われていた現金のうち6割程度が消えた状態だ。

 1日は公務員の給料の振込日だ…

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