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第1章:一時保護(4)

 保護するべきか、見守るべきか――。虐待通報を受け、児童相談所(児相)が判断に迷うケースは少なくない。

 夕方、児相が管轄するエリア内の市の担当者から児相に電話があった。4歳の男の子の頭部に傷があると保育園から連絡があったという。

 ワーカー(児童福祉司)のミエコ(仮名)が駆けつけた。ミエコは自らも3人の子どもがいる40代の母親だ。

 その男の子はすでに帰った後で、保育園は傷の写真を用意していた。保育園によると、日頃から不衛生で臭いがするため、園でシャワーを浴びさせており、1年ほど前には目が内出血していたことがあった。迎えにきた父親に頭部の傷について尋ねたが、「知らない」という返事だったという。

 ミエコは午後7時半すぎに児相に戻った。「お昼も食べていない」と職場に置いてあったおかきを口に運びながら、本棚から分厚い本を取り出した。タイトルは「子ども虐待の身体所見」。ページを繰りながら、保育園から渡された写真と見比べ、「だれが何をすればこんな傷になるのだろう」と頭をひねった。

 子どもの体にできた傷は虐待によるものなのかどうか――。その「見立て」によって一時保護するかどうかの方針も左右される。力量が試される場面で、ワーカーは悩みに悩んだ。

 「明日の夜、自宅を訪問して安…

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