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 きらびやかな銀座の片隅にたたずむツタに覆われた洋館で、89年にわたって営業してきたバーが22日、店じまいする。銀座に現存する最古のバーとされる「ボルドー」(東京都中央区銀座8丁目)。旧日本海軍の山本五十六、戦後の実業家白洲次郎ら各界の大物も通った店は、別れを惜しむ客たちでにぎわっている。

 ボルドーは1927(昭和2)年、オーナー新沼良一(よしかず)さん(83)の伯母が始めた。伯母は新橋の芸者で、木造2階建ての店の奥は住まいでもあった。頑丈な木の扉を開くと、石造りの暖炉や吹き抜けの2階へ続く階段、磨き込まれた柱をランプの光が柔らかく照らす。重厚な店内は創業当時のまま。「暖炉前のソファは白洲次郎の指定席」など店は“伝説”に彩られる。

 伯母から引き継いだ姉の手伝いで、新沼さんが店に入ったのは58年前。「当時、店の前は車も通らず、向かいにもう1軒バーがあるだけで夜は真っ暗。お客さんはすごい人ばかりで、若い自分には怖かった」

 ホステスを置き、男の社交場だった時代が長かったが、近年はバーテンダーの黒田洋一さん(44)と新沼さんが客の相手をし、だれでも気軽に入れる店に。新沼さんは3年前に緑内障で失明した後も、折り目正しい姿でカウンターに立った。しかしこの夏、病気で入院したのを機に閉店を決意。「体力の限界でした。耳も遠くなってお客さんに失礼で。欲しいと言ってくれる人もいないので、建物も取り壊すことになると思います」

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