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 広島、長崎に原爆が投下され71年。オバマ米大統領が広島を訪れ、「核なき世界」に向けて演説をしたものの核兵器はなくなりません。朝日新聞が昨年実施した被爆者アンケート(有効回答5762人)に寄せられたメッセージをもとに、次世代に伝えたい「ことづて」を紹介します。

長田五郎さん「ヒロシマは人類教育の聖地に」

 「幼き神の子の声を聞け」。広島で被爆した少年少女たちの手記集「原爆の子」を編集した教育学者の長田新(おさだあらた)氏(1887~1961)は、子どもたちに手記集を贈る際、万年筆でこうサインした。四男の五郎さん(90)=東京都世田谷区=は言う。

 「今こそ手記集を読み、幼き神の子の声を聞いてほしい」

 東京商科大(現・一橋大)予科2年だった五郎さんは「兵役を課される前に家族に会おう」と1945年8月3日、広島市平野町(現・中区)の実家に帰省した。爆心地から1・6キロ。6日朝は実家で蚊帳をつって熟睡していた。「ドカーン」という爆発音で目を覚ました。

 「時限爆弾だ」。とっさに実家近くを流れている京橋川に飛び込んだ。しばらくしてはい上がり、実家に戻ると新氏が横たわっていた。入浴直後だった新氏は、パンツ1枚の姿で被爆した。全身約50カ所にガラス片が突き刺さり、血まみれだったが、「おれは死なんぞ」と叫んでいた。

 タンスに入っていた衣服を腕や足に巻いて止血し、小舟で京橋川の対岸へ。振り返ると実家周辺は火の海になっていた。新氏を背負い、現在の南区にあった知人宅に向かった。

 五郎さんは、朝日新聞の被爆者アンケートで、当時の情景をこう表現した。

 《原爆を投下された広島市民は、原爆地獄において死線をさまよっていた》

 途中、救護所が設けられた旧陸…

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