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 看護師不足が深刻化するなか、青森県内の看護師養成学校の2014年度卒業生の県内就業率が北海道・東北7道県で最低だったことが県のまとめでわかった。青森県は看護師不足と、ひとり親家庭の就業支援を一挙に解消しようと、新たな支援策を打ち出した。

新卒看護師、県内就業56.2%

 県のまとめによると、県内21校の看護師養成所(養成校)の14年度(15年3月卒)卒業生の県内就業率は56・2%で、北海道と東北6県の中で唯一、6割を下回り最低だった。7道県で最高だったのは北海道の89・8%。青森県の県内就業率は、11年度の卒業生が64・8%だったが、12年度は62・1%、13年度は55・9%と低下傾向が続いていた。

 課程別の県内就業率(14年度)は、卒業生のうち3割が県外出身の4年制大学は30・1%だった。短大は54・5%、看護師3年課程は56・4%で、ともに5割を維持した。准看護師課程は94・7%と高かった。

 卒業後に首都圏で就業した県内出身の卒業生(卒後5年未満)に理由を聞き取りしたところ、「県外の病院からの奨学金を利用した」「就職案内のパンフレットに県内の医療機関の情報があまりなかった」などの意見があったという。

 また、今年3月の卒業者の進路調査では、県外就業を決めた理由に「県外の方が高度な技術が学べる」「県外の方が給料が高い」などの回答があった。県医療薬務課は、看護学生に県内医療機関の情報が十分に伝わっていないとして、昨年に引き続き「県看護職のための県内施設就職情報」を作成した。一般病床ベースで見ると県全体の約7割の医療機関を紹介している。

 青森労働局によると、県内の看護師の有効求人倍率は、13年度2・74倍、14年度2・89倍、15年度2・84倍で、慢性的な看護師不足が続いているという。

ひとり親家庭、看護職員資格取得支援

 県は、看護師不足解消に向け、新たな取り組みを始めた。ひとり親家庭の就業支援を兼ねて、ひとり親家庭の親や子ども(20際未満)、父母ともにいない世帯の子ども(同)を対象に看護師資格取得のための学費と生活費を貸与する。資格取得後、5年間勤務すれば返還は免除される。

 県医療薬務課によると、県内の看護師が不足する一方、母子、父子世帯ともに臨時・パートで働く人が増えているという。そこで、ひとり親家庭の親や子に資格を取得してもらい、県内の医療機関で働いてもらうことで同時に二つの課題解決につなげたい考えだ。

 貸与する学費と生活費は県と看護師を求める医療機関が半額ずつ負担。県は今年度予算に2210万円を計上。学費は看護師が3年間で上限261万4千円、准看護師が2年間で117万2千円。生活費は親や自宅外通学の子どもは月額10万円、自宅通学の子どもは同5万円。

 17年度に県が定める養成校に在籍することが条件。今年度は9人程度を選ぶ予定。窓口となる医師会が、看護師を求める医療機関と希望者をマッチングするという。

<アピタル:ニュース・フォーカス・特集>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(姫野直行)