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 ものが見えにくくなっている人や高齢者にとっての「見えやすさ」や「読みやすさ」とは何か。情報機器を駆使して、そんな問題に取り組んでいる研究室があります。超高齢化社会に対応した製品開発にも結びついています。

細長く、文字間にゆとり

 2013年春、東京女子大現代教養学部人間科学科の小田浩一教授(56)の研究室を、スーツ姿の男性2人が訪れた。共同印刷(東京都文京区)情報メディア開発部の春本昌宏担当部長(当時)らはこう切り出した。

 「銀行の利用明細や契約更新のお知らせなどの通知文書は、多くの情報を載せようとして文字が小さくなりがちで、高齢者が読みにくいという声があります。だれもが読みやすい書体を作るために協力していただけませんか」

 小田教授の専門は、感覚、知覚、認知の実験心理学をもとにした視聴覚情報処理。ものが見えにくい人にとっての「見やすさ」「読みやすさ」を科学的に数値化し、条件や要素を見つける、という研究を続けてきた。研究室内にとどまらず、「見やすいコマーシャルの字幕」や「識別しやすい紙幣」など、「民間企業や独立行政法人、病院の眼科や盲学校と、社会に貢献できるような共同研究を試みている」(小田教授)という。

 研究室から生まれたものには、米ミネソタ大学と共同で開発した、ものが見えにくい「ロービジョン」の人のための読書評価チャート「MNREAD―J」(はんだや社から販売)や、「ForeFinger M」という触って読むことができる立体的なカタカナ書体などがある。

 読みやすさを重視した書体「UD(ユニバーサルデザイン)フォント」を進化させた、横書きの新しい書体を開発したい。春本さんらの強い思いを聞いて、小田教授は考えた。

 日本語の文字は、縦長にしても、それほど見えにくくならないという特徴がある。濁点や半濁点をうまく処理できれば、いいフォントを作ることが可能かもしれない――。

 こうして共同研究は始まった。…

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