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 国税庁は15日、2015年1月に相続税が増税されてから初めて、申告状況を公表した。15年中に亡くなった人のうち、相続税の課税対象となる遺産を残した人の割合は前年から3・6ポイント増え、8・0%に拡大した。現在の課税方式になった1958年以降で最も高い割合となった。

 相続税は、遺産が基礎控除と呼ばれる非課税枠を超えた場合、超えた分が課税対象になる。今回の増税は基礎控除が4割縮小され、対象となる人が広がった。

 国税庁によると、15年中に死亡した約129万人のうち、課税対象となる遺産を残した人は約10万3千人(前年比83・2%増)で、全体の8・0%になった。100人のうち、8人が対象になった計算だ。

 この割合(課税割合)は01年以降、4%台で推移してきた。増税までの議論では、基礎控除をバブル期前と同じ水準にすることで、課税割合は「6%台程度」になると見込まれていた。

 地域別にみると、東京は15・7%(6・0ポイント増)、神奈川は12・4%(5・4ポイント増)、千葉は8・3%(4・0ポイント増)で、都市部やその近郊の人たちが特に増えたとみられる。

 対象となった遺産の総額は約14兆5554億円(26・8%増)で、相続税額は約1兆8116億円(30・3%増)。総額は増えたが、1件当たりの平均でみると、遺産1億4126万円(30・8%減)で、相続税額は1758万円(28・9%減)でともに前年より減った。

 課税対象となる遺産が1億円以下だった人の割合は、前年の26・4%から58・5%に大きく伸びた。(磯部征紀、田内康介)

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 《相続税の増税》 2015年1月以降、基礎控除と呼ばれる非課税の枠が「5千万円+法定相続人の数×1千万円」から「3千万円+法定相続人の数×600万円」に引き下げられ、最高税率は50%から55%になった。基礎控除は、バブル期の地価急騰による税負担緩和のために引き上げられてきた。その後、地価が下落しても据え置かれていたため、課税割合が低下した。基礎控除の縮小は、富の再分配機能を回復させる狙いがある。