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第2章「子どもたち」(3)

 トレーナーにジャージー姿の女子高校生2人が、スーパーの中にあるフードコートに座っていた。

 「いた!」。児童相談所(児相)の男性ワーカー(児童福祉司)が走り寄る。2人は一時保護中の高校生だ。慌てて逃げ出したが、ワーカー2人が追いかけ、何とか保護した。午後7時すぎ。あたりはすっかり暗くなっていた。

 女子高校生2人が部屋にいないことに一時保護所の職員が気づいたのは、この日の朝。その後、児相のワーカーが手分けして捜していた。

 ひとりが前日からのことを職員に話した。前の晩の午前1時ごろ、宿直の職員の目を盗んで外に出た。近くにあった自転車に2人乗りし、コンビニを転々としたという。

 一時保護の際には携帯電話や現金を事務所に預けるため、手元には一銭もなかった。道で拾った小銭で菓子を買い、ミカンを万引きして腹を満たした。友人宅で少し眠ったり、たばこをもらったり。その後、おなかがすいてスーパーの試食コーナーをはしごしていたら、ワーカーに見つかってしまったという。保護所から約5キロ離れたスーパーだった。

 「閉じ込められている感じがした。たばこが吸いたかった。(一時保護所の)金曜の献立が好きな鶏のから揚げだから、それまでに帰ってくるつもりだった」

 一時保護所は子どもたちにとって安全とはいえ、不自由で、必ずしも居心地がいい場所ではない。傷つき、寂しさを抱える子どもたちを支えるため、一時保護所の職員には高い力量が求められる。

 この女子高校生は約1月前に家…

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