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第2章「子どもたち」(4)

 病院についた途端、男の子は走り出した。

 「危ないからちょっと待って!」。担当ワーカー(児童福祉司)のケイコ(仮名)は叫んだ。

 男の子は小学1年生。父親に顔にあざができるほど殴られ、児童相談所(児相)が一時保護していた。

 男の子はとにかく落ち着きがない。追いかけるが、ケイコが伸ばす手をすり抜け、走り回る。同行した児童心理司と2人で追いかけてやっと捕まえた。手をつなぎ、小児科の医師のもとに連れて行った。

 診察中、廊下で待っていると「トイレ!」と飛び出してきた。看護師も手に負えない様子だ。児童心理司が追いかけていった。

 その間、ケイコは診察室へ。「極めて多動傾向の強いお子さんです」と医師。ケイコが保護の経緯を説明すると、「自分では『はしゃいで悪いことをして施設に入れられた』と言っていましたよ」。

 すでに両親は来院し、面談したとのこと。医師によると、両親の希望は「服薬はさせたくない」とのこと。父親は「ちょっと元気で困っている。(殴ったのは)しつけだから」と話したという。

 「ご両親が発達障害を受容していないので、治療は慎重にしないといけないですね」と医師はケイコに言った。

 一時保護中の子どもの通院にはワーカーが付き添う。発達障害があるケースも少なくない。道中での子どもとの会話や医師の診断は、家庭での状況を把握し、親子関係の改善を図るうえでも大切だ。

 一時保護所への帰りの車中、男…

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