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 台湾の立法院(国会)で、結婚を男女間に限る民法を改正し、同性婚を認めようとの議論が始まった。実現すればアジアで初めてだ。ただ、伝統的な家族観を重視する人たちからは反発が噴出。与党・民進党も推進派と反対派に割れ、同性婚支持を打ち出してきた蔡英文(ツァイインウェン)総統は慎重に着地点を探っている。

寛容な土地柄、高まる機運

 「みんな歩いているのに、自分の子どもが歩き回るとどうしてこんなにうれしいのかな」。台湾北西部、新竹県の病院職員住宅で、女性弁護士の張喬婷さん(35)が、遊び回る1歳3カ月の息子を見て目を細めた。張さんは我が子を「プリンちゃん」と呼んでかわいがっている。

 一見、よくある家庭の光景。だが、プリンちゃんには2人の母親がいる。張さんと同性パートナーの医師、楊家敏さん(35)だ。

 2人は同性カップルの男性から精子の提供を受け、張さんが妊娠、出産した。周りも温かい目で受け止めてくれているという。張さんは「理解してもらえないかと思ったが、すんなり受け入れてもらえた」と言う。

 台湾は同性愛者に比較的寛容な土地柄だ。毎年恒例の同性愛者のパレードは、アジア最大規模。蔡総統の側近である蕭美琴・立法委員(国会議員)は「台湾は移民社会。伝統やしきたりを打ち破ろうという気質が強い」と語る。

 それでも、同性婚が認められていないため、楊さんは法的には張さんやプリンちゃんとは関係がない。張さんに不測の事態が起きた場合、楊さんは緊急時の手術などの承認もできない。プリンちゃんの保護者と認められず、相続権もない。

 張さんは万が一に備え、遺書を書いている。「この年で遺書を書く人はあまりいないと思うけど、何かあったときのことを考えると心配」と語る。

 こうした状況が大きく変わるかもしれない。立法院が同性婚を認める民法改正案の審議を始めたのだ。

 昨年12月26日の司法法制委員会は、与党・民進党の尤美女委員が提案した「同性または異性の婚姻当事者に、夫妻に関する規定を平等に適用する」などとする案や、条文の「夫妻」や「男女」を「配偶者」、「双方」などと置き換える野党・国民党の許毓仁委員らの案を一本化。本会議での審議に向けた与野党協議に回すことを決めた。

 立法院では2013~14年にも同性婚推進の動きがあったが広がらなかった。だが16年、人権や平等に重きを置く民進党政権が発足。蔡総統は総統選前に同性婚支持を表明しており、実現への期待が高まる。

■反対噴出、妥協案…

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