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 誰かにあてた手紙の形式でメッセージを書いてください――。朝日新聞が昨年実施した被爆者アンケート(有効回答5762人)の最後の問いには、自身の子や孫のほか、記者あてのメッセージも寄せられた。広島総局と福山支局の20代の記者たちが、その「ことづて」を聞きに行った。

石井美智子さん(78)「くやしさ考えて」

 《私たちは、報道機関の方々にもっと強くなってほしい。そのために微力ながら私を使ってもらってもかまいません》

 「日本中のマスコミの若い記者たちへ」とした広島市東区の石井美智子さん(78)は「原爆で亡くなった人の数ではなく、一人ひとりの人間を書いてほしい」との思いを込めた。そして記した。「被爆者」という運命を背負わされた自分を「使ってくれ」と。

 7歳のとき、爆心地から1・1キロの石見屋町(現・広島市中区)の自宅で被爆した。柱に手を挟まれ動けなくなったが、姉が連れてきた近所のおじさんが助けてくれた。

 おじさんに抱かれ、東練兵場(現・広島市東区)へ逃げた。おじさんの息子で中学生の「てっちゃん」を見つけた。「乳母車を取ってくる」とおじさんが言うので待っていると、てっちゃんは倒れた。「起きて」。泣きながら揺すったが動かなくなった。

 練兵場近くの広島東照宮で10日間ほど過ごした。どこにいるのかわからなくなった両親を捜し、泣きながら木々の間を回った。服が焼けただれ、「おばけみたいになった人たち」が食べ物を求めて歩いていた。当時の光景が頭から離れず、今秋まで東照宮に近づけなかった。

 《もう、この広島に、爆弾を積…

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