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 米国防総省のデービス報道部長は16日、南シナ海のフィリピン沖の公海で米海軍の海洋調査船の無人潜水機が中国海軍の艦船に奪われたと明らかにした。「国際法違反」として、外交ルートを通じて速やかに返却するように求めた。

 デービス氏は「同種の事例はこれまで聞いたことがない」としている。

 南シナ海では、中国とフィリピンなどが領有権をめぐって争う。人工島を埋め立てて軍事拠点化を進める中国に対し、米軍が艦船を派遣するなどして自制を求めている。中国側が、いわば実力行使に出たことで、米中両軍の緊張が高まる可能性がある。

 デービス氏によると、海軍の海洋調査船「バウディッチ」が15日、フィリピン北部のスービック湾から約50カイリ(約93キロ)北西の海域で、無人潜水機を使って水温や塩分濃度の調査をしていた。調査船が無人潜水機2機を回収しようとしたところ、中国海軍の艦船が近づき小型ボートを出して1機を奪った。米海軍の調査船は無線で返却するように求めたが、中国艦船は無視してその場を去ったという。中国側の行動の理由は明らかになっていない。

 デービス氏は「無人潜水機は海洋調査をしていただけで、機密情報には全く関係していない」と強調した。

 南シナ海では、中国が南沙(英語名スプラトリー)諸島の七つの人工島すべてに航空機やミサイルを撃ち落とす「近接防御システム」(CIWS)を配備したことが明らかになったばかりで、米政府は14日に中国の対応を批判していた。(ワシントン=峯村健司

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