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 大規模災害が起きたとき、治療や搬送が必要な妊産婦や乳幼児らの情報を集めて調整役となる「災害時小児周産期リエゾン」の初めての養成研修が17日、東京都立川市の国立病院機構災害医療センターであった。東日本を中心に26都道県から産婦人科や小児科、新生児科などの医師52人が参加した。

 東日本大震災の教訓から必要性が指摘されたことを受け、厚生労働省は今年度から主に小児科や産婦人科の医師や、助産師、看護師を対象に各都道府県で1人以上の養成を始めることにした。

 熊本地震では、県外から4人の医師が交代で駆けつけ、災害派遣医療チーム(DMAT)の調整本部で搬送が必要な妊産婦や乳幼児を把握して受け入れ先の病院と調整したほか、小児救護所の設置や医師派遣、支援物資の調整なども担った。DMATの活動終了後は、熊本県の医療救護調整本部で避難所の妊産婦や乳幼児の状況の評価や感染症予防などにもあたった。

 研修では、熊本地震での活動事例やDMATや行政の役割などを学び、重症の新生児らをヘリで搬送する際の調整の仕方を班別に話し合うなどした。

 また、来春導入予定の日本産科婦人科学会の大規模災害情報対策システムへの入力も体験。国の広域災害救急医療情報システム(EMIS)では、受け入れ可能な妊婦の週数や新生児の体重など周産期特有の情報がないため、共有できるようにと開発されたという。

 海野信也・北里大病院長(産婦人科)は研修会で「研修は毎年行っていく。小児周産期領域での災害対応力を上げていくことが必要だ」と指摘。「各地域で災害時の小児周産期について検討し、訓練も小児周産期だけでなく、災害医療の専門家といっしょにしてほしい」と話した。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(寺崎省子)