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 ベルリンのクリスマス市で12人が死亡した事件の凶器は、トラックだった。車や刃物で一般市民が狙われるテロ事件は近年、欧米で頻発している。各国の警察当局はテロを警戒し、摘発を続けているが、銃器や爆発物と違い、身近な乗り物や生活用品が使われるだけに、従来とは違う対策に迫られている。

 今回と同様に大型トラックが使用されたのは、フランス南部のニースで今年7月にあったテロだ。花火の見物客の間を突っ込んで暴走。80人以上が犠牲になった。11月には、米オハイオ州立大学で男が乗用車やナイフで歩行者11人を負傷させた。犯人は、いずれも過激思想に傾倒した人物だったとされる。

 クリスマスを家族で過ごす習慣のある欧米では、多くの人が贈り物を買いに繰り出す。各地に立つクリスマス市を目当てに観光客も多く訪れる、一年で最も華やかな時期だ。警察当局が警戒を強めているなかで、今回のテロは起きた。

 仏当局は11月、シリアやイラクから指示されたテロを計画していたグループを摘発したと発表。仏メディアは、パリなどのクリスマス市を狙っていた可能性を報じていた。

 英王立統合軍防衛研究所(RUSI)のラファエロ・パンツッチ国際安全保障研究局長は各国で連動する形でテロが企てられていた可能性も示唆し、「今回の事件は、捜査の目をすり抜けてしまったのかもしれない」と話す。(ロンドン=渡辺志帆)