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 進行したがんが骨に転移する「骨転移」は、放置すれば骨折やまひにつながり、QOL(生活の質)にも大きく影響する。がんの治療をしながら生活や仕事をする人が増え、骨転移に対する治療の重要性が見直されている。

早めの対応、QOLに直結

 「気になる痛みがあれば、主治医にすぐ伝えようと心がけている」

 2008年12月に乳がんと診断され、12年に骨転移がわかった東京都内の女性(38)はそう話す。骨転移があると、痛みや骨折、まひなどの症状が起きるが、骨がもろくなるのを抑える点滴薬「ゾメタ」(一般名・ゾレドロン酸)を使っていて、今のところ目立った症状はない。抗がん剤治療をしながら、仕事をフルタイムで続ける。「この生活を長く維持できるようにしたい」という。

 骨転移は、がん細胞が血流などに乗って骨に到達し、増える状態をいう。進行したがんで起き、その頻度はがんの種類で差がある。乳がんや前立腺がんでは、亡くなるまでに65~75%の患者にみられる。

 がんの治療成績が良くなかった時代は、骨転移が問題になる前に亡くなる人も多かった。現在はがんを抱えながら生活する人が増え、生活の質を保つうえでも骨転移の治療が重視されている。

 骨折やまひが起きると、ひどい場合は寝たきりになる。東大病院リハビリテーション部の篠田裕介医師は「早く骨転移を診断し、必要に応じた対策をとっていくことが、生活の質に直結する」と話す。

 骨転移はCTや「骨シンチグラフィー」と呼ばれる特殊な画像検査などをもとに診断する。症状や治療は転移先によって変わる。

 脊椎(せきつい)に転移し脊髄(せきずい)が圧迫されると、まひが起きることがある。悪化する前に手術や放射線で治療しないと歩けなくなる。股関節の近くなど下肢に転移し、骨折が起きると歩行に支障が出るので、骨折しそうな場合は薬や手術などで治療することが大切だ。ひどい痛みには鎮痛薬や放射線で対処する。

 篠田さんは「患者や家族は骨転移によって起きる症状を知って、おかしいと思ったら早めに相談することが重要だ」と話す。

 治療は多岐にわたることもあり…

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