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第3章「親と向き合う」(2)

 「子どもをいますぐ戻せ、コラッ!」

 「いきなり連れて行くのは納得ができない!」

 時計の針は午後4時を回っていた。児童相談所(児相)の面接室。怒声が廊下に響き渡った。

 児相はこの日、保育園児を職権で一時保護した。子どもには体のあちこちにたびたび不自然なあざができていた。「パパがやった。ママもする」と子どもが言ったことなどから保護に踏み切った。

 一時保護した直後、児相にやってきた母親や親族と、担当ワーカー(児童福祉司)のハルミら3人が向き合った。万が一に備えて男性職員も同席した。

 「悪いことは悪いと教えることも大切や」

 「おまえらあざのある子は全員保護するんか」

 「子どもを連れてこない限り帰らん」

 延々、怒鳴られ続けた。虐待対応チームに入って1年目で、20代のハルミは途中で何回か退室しては上司に報告して指示を仰ぎ、折れそうになる心を立て直して面接室に戻った。

 「お気持ちはわかります。お子さんの身の安全のために調査をさせていただきます」「安心安全の生活を確認するために協力してください」。ハルミはそう言い続けるしかなかったという。

 子どもを職権で一時保護した場合、児童相談所(児相)はたいてい親から激しい抗議を受ける。どんな言葉を浴びせかけられようともじっと耐え、児相の考えを伝える。子どものために親との関係は切れない。

 4時間にわたる押し問答の末、…

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