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 茨城県は23日、水戸市南町3丁目の飲食店「ビゴリ」で野生のクマ肉のローストを食べた客と経営者ら15人が発疹や発熱などの症状を訴え、食中毒と断定したと発表した。

 原因は旋毛虫(せんもうちゅう)という寄生虫で、国内での発生は4例目で35年ぶり。いずれの患者も命に別条はないが、医療機関に通院して治療を続けているという。水戸保健所は同日、飲食店を営業禁止にしたが、同店は18日から自主休業している。

 県によると、11月24日~12月8日、同店でクマ肉のローストを食べた27人のうち15人が症状を訴えた。この肉は北海道で捕獲された野生のクマ肉で、常連客が自宅で調理して店に持ち込んだもの。市場には流通していないという。

 旋毛虫は野生のクマやイノシシに寄生。人間の小腸の粘膜内で幼虫を生み、その幼虫が全身の筋肉に広がるという。腹痛や下痢、筋肉痛などの症状が出る。国内での過去の発生例は1974年の青森県(患者数15人)、79年の北海道(同12人)、81年の三重県(同172人)の3例。いずれも野生のクマの刺し身が原因だった。旋毛虫は加熱すれば死滅するため、県は、野生動物の肉は十分に加熱するよう呼びかけている。(福地慶太郎