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 現金30万円を、地域の課題に取り組む団体に寄付する。どこに贈るかは生徒たち自身が取材し、話し合って決める。そんな「日本初」のリアル寄付教育の授業が昨年秋から冬にかけ、東京都内であった。議論を重ね、悩んだ末に出した結論は――。

 この寄付教育プログラムは、米国の「ラーニング・バイ・ギビング財団」が大学向けに提供している。財団の代表、アレックス・バフェット氏は著名投資家ウォーレン・バフェット氏の親族にあたる。

 プログラムの特色は、寄付先を学生に選ばせることによって「社会的投資」を体験してもらう点。授業を通じ、学生は非営利組織を評価する目を養い、効果的な寄付のあり方を学ぶ。リアルなお金を実在する団体に渡すことが、学生を真剣にさせるという。

 今回、日本でこのプログラムに初めて取り組んだのは、東京学芸大学付属国際中等教育学校(東京都練馬区)に通う6年生(高校3年生)12人。同校の藤木正史教諭(37)がNPO法人日本ファンドレイジング協会と協力し、高校生向けにアレンジ。通年の選択授業である「国際協力と社会貢献」の2、3学期を使って取り組んだ。30万円は協会が提供した。

 寄付先は、あらかじめ「子ども」「医療」「動物」の3分野から3団体ずつリストアップされた、計9団体から選ぶ。生徒12人が3チームに分かれ、各チームが1分野を担当。まず3分野からそれぞれ1団体に絞る。次に、残った3団体について全員で検討し、ひとつに決定する。

 授業は一コマ50分で週1、2回のぺースで進んだ。まず生徒たちは、寄付やボランティアをする意味を、自らの体験を振り返りながら考えた。日本の寄付の現状やNPOが果たしている役割を学んだ後、寄付先を選ぶのに必要な評価基準づくりに取りかかった。

 団体側の自己評価も聞こうと、生徒たち自身で連絡を取り、アンケートを各団体にメールで送った。設問は30万円の使い道やこれまでの実績、今後3年間の目標など多岐に及び、どの団体からも記入欄いっぱいに書かれた回答が戻ってきた。団体の施設の見学に出向いたグループもあった。

 「高校生にとって30万円は大金。自分たちの判断で大きなお金が動く責任感を強く実感しています」

 12月3日、東京都内であった「寄付フォーラム」で授業での取り組みを紹介した横山彩乃さん(18)は、そう話した。悩んだのはデータや数字に表れない団体の成果や、スタッフの熱意や情熱をどう評価したらいいかという点だ。候補の9団体は規模がバラバラで、規模の違いを評価にどう反映させるかも難しかった。

 こうした疑問を外部の専門家に…

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