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 安倍晋三首相とオバマ大統領が訪れた米ハワイ・真珠湾のアリゾナ記念館は、日本軍の攻撃を受け沈没した戦艦アリゾナの上に、1962年に開館した慰霊施設だ。アリゾナでは乗組員ら1177人が死亡し、今も約900人の遺体が艦内に残っている。

 白い外観が特徴の全長約56メートルの施設は、船でしか行き来できない。中の壁には犠牲になった乗組員らの名前がびっしりと刻まれている。年間約160万人が訪れるという。

 記念館に向かう船の発着場付近は、国立公園局などが管理するビジターセンターの施設が並び、戦争資料などが展示されている。かつては、米国側の被害中心の展示内容だったが、今は規模も広げ、日米双方の視点から歴史を語り継ぐ場へと様変わりしている。

 2005年ごろ、ダニエル・マルチネス主任学芸員らが「戦争の悲劇を理解するためには、日米双方の等身大の姿を示す必要がある」として展示内容の変更を計画。10年にリニューアルオープンした。

 展示施設内では、真珠湾攻撃の生存者や元零戦パイロットのインタビューを流す。真珠湾攻撃を指揮した山本五十六・連合艦隊司令長官が米国留学の経験があることや、対米戦争には反対していたことも紹介。広島で被爆し、12歳で亡くなった佐々木禎子(さだこ)さんが作った折り鶴も、禎子さんの紹介文とともに展示している。

 マルチネスさんは「キーワードはバランス。互いの国の当時の状況を理解することで和解に向かうことができる。この場所がそのきっかけになれば」と話す。(ホノルル=高野裕介)