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 熊本地震で起きた液状化や擁壁の崩落などの宅地被害について、熊本市は、再発防止のための地盤改良事業で住民負担をゼロにする方針を固めた。工事着工へのハードルを下げ、早期の復旧や耐震性強化を後押しするため市が費用を負担する。

 同市では、南区を中心に2900戸の液状化被害が確認された。ひび割れや擁壁の崩落などを合わせると宅地被害は7200戸に上る。

 将来の災害で被害が再発するのを防ぐための地盤改良工事は、国の「宅地耐震化推進事業」や「災害関連地域防災がけ崩れ対策事業」に基づいて進められる。大規模な液状化の被害を受けた地域は、道路などの公共インフラと個人宅地を合わせて工事する。高さ2メートル以上の盛り土の上や、高さ3メートル以上の擁壁の上にあり、崩落すると道路などに危険が及ぶ可能性がある宅地も工事する。

 これらの事業には国や県から2分の1~4分の3の補助が出る。残りは市町村や住民ら地元が負担する仕組みだが、熊本市はこれを全額負担する。

 液状化を防止する地盤改良工事には、工法により対象地域の住民の3分の2もしくは全員の合意が必要。東日本大震災の復興交付金を利用した同様の事業では、、住民負担が合意形成の壁になり着工できない自治体が多かった。これを受けて、市は「一日も早い復旧復興を進めるため」、地元負担を全て市の財源でまかなう方針を決めたという。

 市は宅地被害の詳しい調査のため、12月議会で約1億4040万円の予算を可決した。液状化した地域では1月から対象地域のボーリング調査を始め、地質にあった地盤改良の工法を探る。(池上桃子)