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 奈良市内の婦人科クリニックが2014年、凍結保存していた受精卵を、妻の求めに応じ、夫に無断で移植していたことがわかった。妻はこの移植で妊娠、15年4月に女児を出産した。その後に離婚した夫は、クリニックと妻を相手取り、2千万円の損害賠償を求めて奈良地裁に提訴。さらに女児とは法律上の親子関係がないことを確認する訴訟も奈良家裁に起こした。

 体外受精について定めた法律はないが、日本産科婦人科学会は体外受精を医療行為として扱い、不妊治療を実施する医療機関に対し、移植ごとに十分な説明をしたうえで、夫婦の同意を得るよう「見解」を示している。

 民事訴訟を起こしたのは、奈良県内に住む男性(45)。訴状などによると、04年に女性(45)と結婚し、10年に体外受精による生殖医療をこのクリニックに申し込んだという。最初の段階では2人は同学会の見解に基づき、移植に同意。受精卵の移植を受けた女性は11年、長男を出産した。

 2人は13年に別居したが、女性は第2子の妊娠を希望。14年にはクリニックに凍結保存されていた受精卵の移植を申し込んだ。しかし、クリニックは男性の意思を確認せずに移植を実施。女性は15年4月に女児を出産し、男性の嫡出子として出生届を出した。

 男性は女性の妊娠後、移植について知ったという。2人は16年に離婚し、女性は現在、2人の子どもと一緒に暮らしている。

 男性は損害賠償訴訟の訴状で「クリニックは同意を得る義務を怠った」と訴え、女性に対しては「同意を得ているように虚偽の説明をしてクリニックを誤認させた」と主張。また、親子関係の確認訴訟では「(女性は)本来破棄されるべき受精卵を保持し続け、単独で妊娠・出産した」としている。

 一方、クリニック側は訴訟前、…

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