拡大する写真・図版 肉厚でしっかりしたシイタケは、地元のシシ肉との相性が抜群。みそ味でいただく=京都府南山城村、佐藤慈子撮影

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(取材余話)「焼き」こそがシイタケの魅力

 シイタケのおいしさに気づいたのは、40代半ばだった8年ほど前、徳島市に赴任していたころだ。

 会社の近くにあった居酒屋は、頼めばたいていの物は作ってくれた。ある時、何か適当な酒のおつまみがほしいと言ったら、女将(おかみ)さんが「シイタケでも焼こうか」といくつか出してくれた。少ししょうゆをたらして一口食べたとたん、「うわ、うまい」と思わず声が出た。それから、自分でシイタケを何度焼いたことか。

 今回の取材でも、話をうかがった栽培農家の方たちなど数人に、「シイタケはいつもどうやって食べますか?」と尋ねた。全員がまず挙げたのは、やはり「焼いて食べる」だった。

 ところで、原木栽培か菌床栽培かでシイタケの味や質に差はあるのだろうか。ふだんは気にせずに買っているが、今回は原木シイタケに焦点を当てただけに、気になっていた。自分なりにいろいろ食べ比べてみたが、よくわからない。

 京都府南山城村の田山地区で原木シイタケを栽培している山田一貴さん(34)に疑問をぶつけてみた。すると、「原木と菌床という栽培方法の違いだけで、これだけおいしさが変わる作物はほかにないですよ」。そうだったのかと、隠れた魅力に驚く。「一般的には鍋料理に使うことが多いので、本来の味を知る人は少ないでしょう」という言葉に納得した。

 焼きシイタケを撮影させてもらった「農家民宿 童仙房山荘」では、上等の原木シイタケをたくさん用意してもらい、経営者の井上博文さん(39)が包丁で一つひとつ丁寧に切れ目を入れてくれた。せっかくなので、「焼く」だけではなく、別の調理方法でも味わってみたい。原木シイタケやハクサイ、シメジ、ミズナなどを具材に使った、みそ仕立ての「ぼたん鍋」を試食させてもらった。

 鍋に入れるシイタケといえば、ふにゃっとして風味が薄いという印象がある。だが、南山城村の原木シイタケはしっかりと形をとどめて存在感があった。軟らかいが歯ごたえはちゃんとあり、たっぷり吸っただしとシイタケの風味が混ざり合ってうまい。地元の猟師さんから仕入れたという猪(いのしし)肉も申し分なし。次は、泊まりがけで行こう。(伊藤誠)

挑戦してみては?

 「農家民宿 童仙房山荘」を経営する井上博文さんに、シイタケをうまく焼くコツと、猪(いのしし)肉を使ったシイタケのつくだ煮の作り方を教わりました。

 【焼きシイ…

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