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絵本作家・植垣歩子さん

 私は絵本でお年寄りを描くことが多いんです。

 日本画を学んでいた学生時代、モチーフにしていた祖父の顔に刻まれた深いしわの一つ一つに魅力を感じていました。祖父のゆっくりした動きや、足が細くておなかが少し出ているフォルムにもひかれました。その人生や、失ったり隠れたりしたものに美しさを感じるんです。

 お年寄りともっと話したいと思うようになり、絵を描いていくためにも、卒業後は介護施設の非正規職員に。多くのお年寄りとの出会いがあり、今まで生きてきた生活の営みが、一瞬、垣間見えることがありました。

 あるときは、おしゃべりしたことがなかった認知症の女性が、手を洗うたびに飛んだしぶきを必ず拭き取っているのに気づきました。その人の人生や人格は、核として消えずにどこかしらに残っているんですね。人間って奥深いし、いとおしいし、不思議だなと感じました。

 仕事は楽しく、私に合っていました。でも一つのことにしか集中できない性格なんですね。半年後にふり返ると、絵が描けていなくて。命を預かる介護の仕事は緊張の連続。昼間働いて、夜描こうと思っていましたが、精神的に疲れて描くことはできなかったんです。

 一方で、お年寄りの暮らしの断…

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