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 南極観測の新たな拠点となる基地の建設に向けて、日本が今年末から本格的に動き出す。1995年に開設されたドームふじ基地以来で、5カ所目となる。南極大陸の内陸で氷床を解析し、地球の過去の気候変動を探るのが目的だ。57年1月29日に昭和基地を開設してから60年となる日本の南極観測が、新たな試みを始める。

 新基地を計画しているのは、南極大陸の沿岸から約千キロ内陸に入った地域で、氷床の厚さが2千~3千メートルほどある。ここで掘削をして、100万年前の氷を手に入れることを目指す。

 今年11月に日本を出発する59次観測隊が場所の選定を始め、5年後の基地完成と氷床の掘削開始を想定している。ただ、現地は平均気温が零下50~60度で空気も薄く、資材を運んだり建設したりするのに多くの時間や労力がかかる。このため、簡易に組み立てられ、移動もできる「ポータブル基地」を考えている。

 同じ地域はドイツや米国、ノルウェーも適地とみており、探査や氷床掘削を共同で進めることも検討している。「競争ではなく、連携していきたい」と本山秀明・国立極地研究所教授は言う。

 日本が南極でつくった基地は、昭和、みずほ(開設は70年、閉鎖)、あすか(同85年、同)、ドームふじ。2003~07年にドームふじで深さ3035メートルまで掘り、約72万年前の氷を手にしている。新基地はこの近くに計画している。(中山由美