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 詩人の谷川俊太郎さん(85)と作家・写真家の片岡義男さん(77)が、既刊作品のほぼ全てを電子化することを決めた。朗読や書き下ろしなどの「特典」もつき、価格も安い。電子書籍市場になぜ本格参入するのか、2人に聞いた。

「紙の全集、重たくて大げさ」 谷川さん

 「生理的に紙の本の全集が持つ、重たくて大げさなのが嫌い。本棚の一角を占拠して傲慢(ごうまん)な感じがする。詩はもっと軽い気持ちで楽しんでもらいたい」

 谷川さんは電子化に踏み切った理由をこう話す。

 選集などを除いた単行詩集約65冊のうち、電子書籍化したのはデビュー作『二十億光年の孤独』(1952年)から『こころ』(2013年)まで61冊。版元は約30社に及ぶが、岩波書店が各社の了承を得て54巻にまとめて電子化し、1巻あたり数百円前後で配信している。

 国内外で詩の朗読をし、自らを「芸人」とも呼ぶ谷川さんの声も楽しめるのも特徴。同社の会議室で谷川さんの朗読を担当者がビデオ撮影し、その音声を使った。英訳も収録した。同社の入谷芳孝さんは「英語と朗読で、より深く詩を味わっていただける」。

 谷川さんは幼少の頃からラジオを組み立てるなどメカ好き。00年に同社からCD―ROM版全集を刊行。「1枚のディスクに収まりうれしかったが、こんなに薄っぺらいものかと寂しさも感じた」

 期待するのは、紙と電子版の両方で読者が詩を楽しむ未来だ。「デジタル時代だからこそ、手間のかかった造本や装丁の美しい詩集の魅力は高まっていく。一方でデータとして作品を未来の読者に残していきたい」。谷川さんと同社は今後も電子化を続ける予定という。

公式サイトで300作品配信 片岡さん

 一方、片岡さんは15年7月、「片岡義男 全著作電子化計画」と銘打って公式サイト「片岡義男.com」を開設。既刊の小説約600作品のうち、デビュー作『白い波の荒野へ』(74年)から『火曜日が締め切り』(88年)まで約300作品を配信し、今夏までに約500作品まで増やす。1冊270円。紙の本との共存を図るため、現在は絶版状態の作品が中心で、「復活はうれしい」と片岡さん。

 片岡さんが撮影した写真約45…

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