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第5章「児相の素顔」(6)

 一時保護した中学2年生の女の子のこれからの生活をどう支えていくのか――。児童相談所(児相)の一番大きな会議室で、児相がかかわる子どもたちの今後の処遇方針が話し合われていた。

 女の子は、母親とともにビジネスホテルを泊まり歩いているところを保護された。学校には通っていなかった。

 女の子が生活する一時保護所の職員が報告した。「きちょうめんで、まじめ。生活面では問題なし。ただ、右目が見えにくいと訴えている」

 担当のワーカー(児童福祉司)は「視力は右1・2、左0・9。見えないことはない。心因性かもしれない」と応じた。

 女の子は、児童養護施設に入ることを了承している。ただ、どこの施設に入るのか、議論になった。施設はどこもほぼいっぱいで、引き受けてくれるところを探すのは難しい状態だった。

 「○○施設は受け入れを考えてくれているが、ここだと自転車通学になる。自転車に乗れるかと聞かれています」と虐待対応チームを率いる課長が言った。だが、女の子は自転車に乗ることができない。このままでは受け入れ施設がなくなりかねない。

 「今から練習するのはどうですか?」。児童心理司の一人が声を上げた。児相の幹部も「将来、社会生活を営むのにも必要だから、一時保護所で練習してみたら」と賛同した。

 一時保護した子どもに対して、自転車に乗る練習をさせたり、食べ物の好き嫌いを直そうと工夫したり、児童相談所のワーカーたちはできるだけ細やかな対応を心がける。子どもたちの将来のため、子どもたちの幸せのために。

 この児相では週1回、一時保護…

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