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 医薬品や食品、化粧品に役立つ生物の「遺伝資源」をめぐり、利用国と提供国が利益を分け合う仕組みを定めた国際ルール「名古屋議定書」について、政府は20日召集の通常国会に承認案を出す方針を固めた。18日の衆参両院の議院運営委員会理事会で、2月の提出方針を伝えた。

 これまで、先進国の企業が途上国の動植物や微生物といった遺伝資源を採取し、研究や製品開発に活用するケースが多かった。利益の公平な分配を目指して2010年、名古屋市で開かれた国連生物多様性条約の第10回締約国会議(COP10)で議定書が採択され、14年に発効した。

 18日現在、93カ国と欧州連合(EU)が締結している。日本は12年に閣議決定した「生物多様性国家戦略」で早期締結をうたったが、未締結だった。「遺伝資源の入手手続きに負担が増すのではないか」という産業界の慎重意見があったことなどが背景にある。

 このままでは議定書の締結国から日本が遺伝資源を入手しにくくなり、国内の研究や製品開発に影響が出る可能性が出てきた。日本学術会議も早期締結を提言しており、政府が調整していた。(小堀龍之)