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第5章「児相の素顔」(1)

 「お母さん、○○ちゃんの髪を切ってもいいですか」

 児童相談所(児相)の虐待対応チームのワーカー(児童福祉司)が電話をしていた。相手は、児相が少し前に一時保護した保育園児の母親。一時保護中の子どもの髪の毛を切る承諾をもらうためだ。

 「とても長くなってきていますから」。様子を説明し、納得してもらった。

 電話の後で、ワーカーはため息を漏らした。その園児は、母親に暴力を振るわれて一時保護されていた。

 気むずかしい親たちにはワーカーたちは特に気を使って対応している。散髪や予防接種など、子どもにかかわることは手間がかかっても事前にこまめに連絡する。親との関係がこじれてしまえば、親は児相の言うことに反発するだけになってしまう。それは、結局子どものためにならない。

 こうした親とのやりとりは、ただでさえ人手不足の児相の忙しさに拍車をかける。

 ある日の夕方、16歳の女子高校生が警察官に連れられて児相にやってきた。母親から虐待されたと、自ら警察に助けを求めてきたという。

 まずは到着した本人から話を聞かなくてはならない。だが、虐待対応チームのワーカーたちは、別のケースの保護者との電話や、一時保護中の高校生が通う学校との打ち合わせなどで、みな手がふさがっていた。

 一時保護中の子どもが予防接種をしたり、髪を切ったりするときなど、児童相談所が保護者に連絡することが多い。親との関係を円滑にするための対応が、児相の忙しさに拍車をかけている。

 「自分が対応するしかない」。…

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