(京の隠れ里に住んで)大雪のどんど 集落総出の大仕事
福野聡子
【動画】京都・久多で行われた「どんど」=福野聡子撮影
京都市中心部から車で約1時間、市最北端にある久多(くた)。平安時代には古文書にその名が表れる、清流と古民家の山里です。約90人が住む集落の暮らしをお伝えします。今回は小正月の行事「どんど」です。
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1月15日、どんどの日。まだ真っ暗な午前5時半、どんどの会場に歩いて向かいました。庭先から車道までは50センチの雪。ひざまで埋まり、慣れない身にはまるで「雪中行軍」です。会場の田んぼ前でも、まずは数十メートルを除雪して道づくり。前日の準備の日も朝から大雪警報が出て……。今年は「雪一色のどんど」となりました。
吹雪の中の連係プレー
どんどは、正月のお飾りを焼いて無病息災を願う全国的な行事です。街なかではあまり催されなくなっており、私も教科書でしか知りませんでした。地域によって呼び方や形も異なりますが、久多では正月のお飾りのほか、竹、わら、茅(かや)=久多ではススキ=を使い、円錐(えんすい)形に作ります。昔は地区ごとに子どもたちが競い合って作っていたそうですが、今は1カ所で、集落全体の行事となっています。
どんど作りは本番前日の1月…