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 沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事が教員採用試験で口利きをしたと報じられ、辞任した問題で、平敷昭人(へしきしょうじん)県教育長は24日、安慶田氏から複数の受験者に便宜を図るよう要求された、と前教育長が証言したことを明らかにした。県教委に22日に文書が出され、別の元幹部からも同様の証言が得られたという。

 文書を出したのは諸見里明・前教育長。文書によると、教員採用試験の2次試験を控えた2015年8月ごろ、安慶田氏から「3名の受験番号、教科、氏名が記入されたメモを渡された」「『よろしくお願い』などと言われた」という。10月にも安慶田氏から、学校事務職員採用試験の受験者1人の受験番号と名前を電話で告げられ「よろしく頼む」と言われたという。

 諸見里氏は文書の公開にも同意した。別の元県教委幹部からも内容を裏付ける証言が得られたという。

 平敷教育長は「前副知事からの働きかけがあったと考えざるを得ない、との結論に至った」と述べた。

 安慶田氏による「口利き」は今月18日に沖縄タイムスが報道。安慶田氏は一貫して否定したが、「県政を混乱させた」として23日に辞任した。(吉田拓史、小山謙太郎)

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 諸見里明・前沖縄県教育長が出した文書の要旨は次の通り。

 《採用依頼について》

 2015年に実施された一次採用試験の合格発表後、安慶田副知事から副知事室に来るようにとの電話があり、メモ用紙を渡された。3人の受験番号、教科、氏名が記入されており「よろしくお願い」「無理しなくてもいい」と言われた。幹部と協議し「絶対にできない」と確認した。学校人事課にも一切知らせなかった。

 最終合格発表後、副知事に合否を報告。不合格者もいたが、副知事は私をじっと見たまま何も答えなかった。

 10月末ごろには、副知事から電話があり、学校事務職員採用試験の一次合格者1人の受験番号と名前を告げた後、「よろしく頼む」と言われた。

 《人事異動の介入》

 副知事室に呼ばれ、教育庁幹部の移動先を指導統括監にするよう副知事から指示された。固辞すると、2~3日後に再度呼び出され、別の役職に異動するよう指示された。幹部と協議し、絶対にダメだと確認した。副知事に伝えると、激しく恫喝された。小学校長の登用も迫られた。断ると了承されたが、翌年も指示され、断ると厳しい恫喝を浴びせられた。