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 広告大手、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が2015年12月に過労自殺した事件で、電通と遺族は今月、再発防止策などを盛り込んだ合意書に調印した。合意書には労働時間の削減、ハラスメントの防止、メンタルヘルス対策など多岐にわたる対策が盛り込まれ、電通は遺族に着実な実行を誓った。若手社員の過労自殺が繰り返された電通は、こんどこそ変われるのか。

 「二度と同じ悲劇を繰り返さないように、改革に向かってほしい」。まつりさんの母、幸美(ゆきみ)さん(54)は合意書の調印を公表した20日の記者会見で、電通に対し過労死や過労自殺の再発防止に向けた改革の実現を強く求めた。

 幸美さんは愛する娘を亡くした悲しみに耐えながら、1年近くにわたって電通と交渉を重ねてきた。その結果、遺族への謝罪、慰謝料などの支払い、再発防止措置などを盛り込んだ合意書がまとまった。

 合意書の特徴の一つは、遺族側の意向も踏まえて打ち出された再発防止措置を具体的に明記した点にある。再発防止措置は18項目。社内で常態化していた長時間労働に歯止めをかけ、社員の心身の健康を守るための取り組みが並ぶ。とくに重要なのは、会社が社員一人ひとりの労働時間を正確に記録し、勤務実態を正しく把握するための具体策を示した点だ。

 まつりさんは試用期間が終わり、本採用になった15年10月以降に業務時間が急激に増えた。労働基準監督署が認定した時間外労働(10月9日~11月7日)は約105時間にのぼったが、まつりさんが会社に申告した時間外労働は月50時間の範囲に収まっていた。勤務時間の管理体制が不十分だったことへの反省から、実労働時間と異なる記録がなくなるようオフィス出入り口のゲートの通過時刻を速やかに上司が把握する▽社員が自己申告した始業・終業時刻とゲートの通過時刻に30分以上差があれば理由を調べる――といった具体策が示された。

 まつりさんの死を受けて、仕事に不慣れな新入社員の過労を防ぐ措置も盛り込まれた。入社1年目の社員には、1カ月の残業時間の上限をほかの社員より厳しく設定。まつりさんが苦しんだとされる、社内の飲み会などの負担の見直しも明記された。

 23日に引責辞任した石井直社…

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