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 ふるさと納税で巨額の寄付が集まる佐賀県上峰(かみみね)町。昨年末、町議に払うお金の「費用弁償」を復活する議案が町議会(定数10)に議員提案されたが、抗議の殺到で撤回される騒動があった。ブームの中、急に増える収入を自治体はどう使うべきなのか。

 上峰町のふるさと納税は返礼品の佐賀牛が大人気。高額寄付者に1頭分の肉(188キロ相当)を24回に分けて贈るメニューもある。

 2015年度の寄付約21億3千万円は、一般会計の当初予算の半分超にあたり、全国9位だった。財政再建策の成果もあり、16年度の町予算では財政の健全ぶりをみる指数がどれも基準を満たした。16年度は40億円超を見込む。

 費用弁償は交通費など、議員が議会に出るのにかかるお金を公費で賄うもので、実費を上回る額が払われているとの批判も根強い。上峰町議会では1日あたり1人2千円(03年度は議会全体で年間計98万8千円)が払われていたが、財政難で04年度から段階的に減らし、07年度に停止していた。

 複数の町議によると、その復活は全員協議会でベテラン議員が提案した。「削減は議会が自主的に決めた。財政が回復してきた現在、元に戻してもいいのでは」。1~2回当選組が過半数を占め、「当時を知る先輩の言うことだから」と特に異論は出なかった。

 だが、議員提案が報道されると、「ふるさと納税で議員の懐を温めるのか」「来年度の寄付を考え直す」などとメールや電話が殺到。1月末までに7件計7万5千円の寄付が取り消された。

 町はこれまで認定こども園の建設や小学校向けの英会話授業に寄付金を充ててきた。武広勇平町長は12月15日に緊急会見し、「(寄付は)費用弁償に一切使わない」と火消しに奔走。町議には町民からも反発の声が寄せられた。機運は急速にしぼみ、結局、町議会は翌日、全会一致で議案の撤回を決めた。ある町議は「小さな町で支援者との距離も近い。押し切るのは難しいと思った」と話す。

 上峰町では、寄付者側が①人材育成②まちづくり③産業振興④町長一任の四つから使い道を選ぶ。町の担当課は「制度の趣旨と異なり、議員向けに使うつもりはなかった」。ただ、別のある町議はふるさと納税で財政に余裕が出た認識もあったと認め、こう打ち明ける。「議員も町のために働いているのだから、いいのではと思ったが……。今後の町の歳入に関わると判断して撤回した」

 ふるさと納税は15年から税額…

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