「オヒョイさん」の愛称で親しまれた俳優の藤村俊二(ふじむら・しゅんじ)さんが、1月25日午後8時45分、心不全のため入院先の病院で死去した。82歳だった。葬儀は近親者で行ったが、「献花の会」を2月14日正午から、東京都渋谷区神宮前6の25の12の慈雲山長泉寺で開く。喪主は長男亜実さん。

 神奈川県鎌倉市生まれ。早大中退後、東宝芸能学校1期生となり、60年に日劇ダンシングチームの一員として公演のため渡欧。英国の踊りのレベルの高さに衝撃を受けて舞踊家の道を断念し、パリでパントマイムを学んで帰国後は振付師に転向した。

 ザ・ドリフターズの人気番組「8時だョ!全員集合」や、レナウンのCM「イエイエ」などの振り付けを担当。俳優としても軽妙でとぼけた味の演技が人気で、バラエティーやクイズ番組に多数出演したほか、テレビドラマ「王様のレストラン」や映画「ラヂオの時間」など、三谷幸喜作品の常連俳優としても活躍した。

 15年12月に体調不良のため「ぶらり途中下車の旅」(日本テレビ系)のナレーションを降板。療養生活を送っていた。

 ◆タレントのうつみ宮土理さんのコメント

 オヒョイさんの訃報(ふほう)を知り、寂しく辛い気持ちで一杯です。

 オヒョイさんとキンキン(夫の故・愛川欽也さん)は本当に仲良しでした。

 ワインが好きでワインバーまでオープンしたオヒョイさんのお店にお酒の飲めないキンキンがうれしそうに通っていた姿が思い出されます。

 テレビのお仕事で、ロサンゼルスのロデオドライブをオヒョイさんと行った思い出や「UFOを探そう」と、二子玉川までドライブした思い出、「ゲバゲバ90分」で深夜までダンスの振り付けに頑張ったことなど…。

 本当に私にとっては「お兄さん」と呼べるひとでした。

 オヒョイさん、天国でキンキンと仲良くしてね。

 ◆俳優の中村メイコさんのコメント

 あの人らしく、絶対知らせないで。静かに…今にも亡くなるだろうというのは心にあったんですけど。

 とてもジェントルマンでした。

 日本人には珍しい感じの人だったんじゃないかなと思います。ベストドレッサーで、おしゃれで。女に弱くて。しょっちゅう恋人変わって。飲んだり遊んだりする時には、嫌味(いやみ)のない、素敵(すてき)な男の子でした。

 最初の大病をした時には、「僕の中はがらんどうだ」って。気持ち悪いこと言わないで、と言うと「いつ死んでもおかしくないんだ」って言っていましたね。絶対公にしないで、静かにいなくなってしまうんだろうとは思っていましたが。

 心より御冥福をお祈りします。

 ◆長男で所属事務所社長の藤村亜実さん(50)の言葉 子どもの頃、家に帰ってくると、家の雰囲気が明るく変わるような人だった。僕自身、子どもの頃からどうやったらあんなに自由に楽しく好きなことをして、しかも優しく生きられるのかわからなかった。病室では苦しいはずなのに、表情にも出さなかった。きっと、苦痛とか不安にとらわれずに生きられる人だったんだと思う。

 特に面白いことを言うわけでもないのに、多くの人が集まったのは、欲や執着がなくて、周りにいて気持ちいいからではないか。