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襲撃事件資料室から:13

 阪神支局襲撃10カ月後、静岡支局の駐車場で時限式爆弾が不発のまま発見された。

 目覚まし時計や乾電池と、むき出しにした豆電球のフィラメントをつなぎ、ピース缶の猟用黒色火薬を発火させる仕組みだった。 1960年代後半に警視庁施設などが狙われたピース缶爆弾に比べ構造は稚拙だった。それでも缶に入った小さなクギ254本が、無差別に人を傷つけようという悪意を感じさせた。

 静岡県警は同種の部品で爆弾を復元。縦横90センチ、厚さ3ミリの合板で囲み、天井部をクギで打ち付け爆破実験をした。爆風は天井の合板を約4メートル、缶の中のクギを約5メートル吹き飛ばした。捜査幹部は「爆発しなかったのは極めて僥倖(ぎょうこう)(思いがけない幸い)」と漏らした。

 爆弾が入れられた紙袋も含め、遺留品は18点に上った。だが、犯人にたどり着くことはできなかった。