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スコアの余白

 59盗塁――。これは阪神が昨年、記録したチーム合計の盗塁数だ。セ・リーグ最少で、最多の広島(118)の半分しか走れなかった。一人で53盗塁を決め、オリックスからFA宣言した糸井の獲得に動いたのは、機動力での上積みを狙った面もある。

 ただ、選手一人ひとりの意識が変わらなければ、数字も変わらない。このほどトレーナーのつてで白羽の矢が立ったのは、元陸上選手で現在はランニングコーチの秋本真吾氏だ。

 昨秋から選手たちに走り方の指導を始め、今回の春季キャンプでは3、4の両日、駆けつけた。投手、野手を問わず、ミニハードルを走りながら越えたり、ときには一緒に走ったりして、効率よく前に進むフォームやケガをしにくいフォームを選手の体に染みこませていった。

 秋本氏が投手に教えていた3日、自ら練習に加わったのが遊撃手の鳥谷だった。秋本氏によると、鳥谷は走る際、地面を蹴った後に足が後ろに流れ、ひざを前に出すのが遅くなる癖があるという。「すね付近の筋肉を補うと改善される」と助言を送った。

 ストイックな鳥谷は、宿舎に戻ってから、寝る前、翌朝とすね付近の筋肉を鍛えてから、4日の全体練習に参加した。「タイムは計ってないけど、普段の力の入れ加減よりは足が速くなった気がした」とコツをつかんだ様子だ。

 チーム全体の盗塁数を伸ばすには、まずは盗塁を試みなければならない。そのために秋本氏は「足が速くなったという実感を持ってほしい」と話す。(井上翔太)

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