[PR]

南十字星の下で

 年末年始から2月まで夏のオーストラリアでは、この時期に海辺や裏庭などでバーベキュー(オージー英語ではバービーという)が盛んに行われる。

 時に40度を超える猛暑のなか、肉よりも軽い食材として欠かせないのはシーフード。中でも一番人気は、エビだ。鉄板の上でみるみる赤くなっていくのを仲間と眺めつつ、キンキンに冷えたビールを飲む。

 オーストラリア観光局は1980年代、映画「クロコダイル・ダンディー」に主演したオージー俳優のポール・ホーガン氏をテレビCMに起用し、「バービーでエビを焼こう」と呼びかけた。CMの設定はもちろん、「真夏のバーベキュー・パーティー」だった。

 オーストラリア農業・水資源省によると、国内で生産されるエビは年間約2万トン。ほかに3万~5万トンが輸入されている。国内で生産・消費されるエビの4割は、クリスマスの時期に集中しているという。シドニーのフィッシュマーケットでも多くの観光客が、焼いたり揚げたりしたエビをほおばっている。

 今年は4月半ばになるが、学校も休暇に入るイースター(復活祭)の時期はやはりエビがごちそうとしてよく食卓に登場する。真夏の年末年始から秋にかけてのオーストラリアは、まさに「エビの季節」なのだ。

 ところが昨年末、クイーンズランド州の複数のエビ養殖場で国内初の白斑病ウイルスが確認され、エビ養殖業界に衝撃が広がった。さらに年明け早々の1月6日には、ジョイス農相が「海外からの生エビ(green prawnという)の輸入を停止する」と発表した。

 白斑病の拡大を防ぐためで、感染経路を特定するまでの措置だとしている。地元メディアによると、ウイルスが持ち込まれた原因のひとつとして、輸入された生エビをえさにした釣りが考えられるという。釣り場の近くにはエビの養殖場があり、感染したとの見方だ。

 これを受け、エビ輸出国であるタイの商業省は「タイからオーストラリアへ輸出されているエビのほとんどは加工されているため、感染の恐れはない」とする声明を出した。昨年1月から11月までにオーストラリアへ輸出された加工エビは、前年比約15%増の総額3106万米ドル(約34億8千万円)だったという。

 生エビの輸入停止の発表から数…

この記事は有料会員記事です。残り806文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料会員記事です。残り806文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料会員記事です。残り806文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
こんなニュースも