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 自己責任の国と言われる米国で、高齢者はどのように老いと向き合い、どんな支援を受けているのでしょうか。米国に留学した記者が各地で高齢者を訪ね、話を聞く中で感じたこと、日本との比較などを伝える連載「幸せな老いを探して 米国留学で見たこと」。朝日新聞デジタルで随時配信します。

幸せな老いを探して 米国留学で見たこと:1

 ほかほかのご飯にクリームシチュー、サケの塩焼きにキムチ……。米国で訪問した高齢者向けの施設でハンバーガーやサンドイッチを目にすることはあったが、これほど日本人にはなじみのある昼食に米国で出合えるとは思わなかった。少し味見させてもらったが、おいしくて日本が恋しくなった。

 米ペンシルベニア州・フィラデルフィアにあるNPO「PASSi(ペン・アジアン・シニア・サービス、通称パッシ)」が運営するデイケアサービスの昼食のメニューだ。日本と同じように、介護や日常生活の支援が必要な高齢者が通い、食事を食べたり体を動かしたりレクリエーションをしたりして過ごす。パッシの最大の特徴は、韓国人を中心に英語を話せないアジア系高齢者向けということだ。

 パッシは「ホームヘルスエイド」と呼ばれる介護職員による訪問介護も提供している。韓国、中国、ベトナムなど約15言語を話すエイドが働き、自国の文化を好む高齢者に合わせて食事を作る。利用者が一定の所得以下なら費用はかからない。実際に利用者の大多数は低所得者層。「ここに来れば、おなかがすくことはない」という触れ込みだ。

 昼食を終えた高齢者が50人ほどホールに集まり、ビンゴが始まった。韓国語と英語で職員が数を読み上げると、皆じっと耳を傾ける。「ビンゴ!」と高らかにカードを掲げる人も。別室では中国語を話す人たちがボランティアの若者とマージャンに興じていた。ほかにもズンバ、映画鑑賞、ピクニック、ガーデニング、パソコン教室などがある。「韓国人が中心だが、最近は多様化している」と、パッシを立ち上げたイムジャ・チョイさん(68)は言う。

週5日、パッシに通う

 週5日、パッシに通っているボクスン・ヨムさん(87)は、1986年に娘に呼び寄せられる形で韓国から米国に移住した。孫の世話や認知症の夫の介護で、英語を学ぶ機会がなかった。2014年からパッシのデイケアに通っている。

 「糖尿病で薬を飲まないといけないが、自分1人だと服薬の時間や量が分からない」と、看護師から毎朝薬を受け取って飲む。午前中はズンバなどのエクササイズが楽しみで、朝食と昼食もデイケアで食べる。

 「栄養豊富な食事が食べられ、スタッフはまるで自分のおばあさんのように優しくしてくれる」とヨムさん。

 午後2時頃、一人で暮らす高齢者向けのアパートに帰る。アジア人向けの食材をそろえるスーパーマーケット「Hマート」で、夕食と引き換えられるクーポンをパッシから支給されている。韓国語を話すエイドがシャワーの介助や夕食の用意をする。

 「1人でいると不安だが、エイドに来てもらうと安心する」

 毎日午後6時ごろ、デイケアに…

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