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 「勉強し始めた若い人が、すぐ結果を求め過ぎるんですよね。んな慌てなさんなって。声優なんて仕事は声が出ているうちは仕事になるんだから。それよりも今やるべきことをじっくり勉強する方がいい。僕も大してうまくなかったけどそうしてきたからなんとか今まで生きてこられた。すぐに番組に出たいとか、そうやっていくとどんどん消えていっちゃうんですよ。慌てないこと。必ず食えるようになります。僕も若いころ食えなくて先輩に『どのくらいで食えるようになりますか?』って聞いたら『なーに言ってんだ、10年頑張れ』。ええっ10年も!と驚きましたけど、もう50ウン年ですもんね。本質的に自分がしっかり分かっていればそんなに焦ることはない。必ず職にありつける。そう思います」

 少々しゃがれた声の主は、昨年10月20日に80歳で亡くなった声優・俳優の肝付兼太(きもつき・かねた)さん。最後の仕事であるNHK「ラジオ深夜便」のコーナー「シリーズ:時代を創った声」(昨年9月19日収録、11月25日放送)出演時の音声が、今年2月6日に東京都内で開催された「肝付兼太を偲(しの)ぶ会」で披露されました。車椅子で鼻に酸素ボンベのチューブという状態で収録され、同じ日にNHKBSプレミアムの番組のため「おかあさんといっしょ」のじゃじゃ丸の声も演じたそうです。

 26年間演じたテレビ朝日版「ドラえもん」のスネ夫をはじめ、「ジャングル黒べえ」の黒べえ、「ドカベン」の殿馬、「銀河鉄道999」の車掌、テレビ朝日版「怪物くん」のドラキュラ、フジテレビ版「おそ松くん」のイヤミ、「それいけ!アンパンマン」のホラーマンなど多数の持ち役があった肝付さん。劇団21世紀FOXを主宰するなど筋金入りの演劇人でもありました。

 偲ぶ会は、あいさつが「999」原作者松本零士さん、献杯が「怪物くん」原作者藤子不二雄(A)さんで、そのあと壇上で思い出話を語る声優陣が肝付さんのキャリアにふさわしく超豪華! 緒方賢一さん、野沢雅子さん、清水マリさん、羽佐間道夫さん、野村道子さん、池水通洋さん、千々松幸子さん、飯塚昭三さん、中尾隆聖さん、堀内賢雄さん、井上和彦さん、坂本千夏さん、島本須美さん、山寺宏一さん、関智一さん、津久井教生さん、檜山修之さん、宝亀克寿さん、かないみかさん、松本梨香さん、「おかあさんといっしょ」チームをはさんで、トリは愛(まな)弟子・山口勝平さん。

 楽しい会にした方が故人も喜ぶだろうと、皆さん笑えるエピソードを話そうと努め、山寺さんはさすが大ウケの大爆笑。一方、千々松さんや島本さん、かないさんは涙で声を詰まらせる場面も。涙でぐしゃぐしゃになりそうなのをグッとこらえて勝平さんが言葉に込めた万感の思いは、うまく文字では伝えられません。師弟の強い絆を感じました。

 野沢雅子さん「肝ちゃんとはホ…

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