朝日新聞所蔵の10万枚以上の皇室写真からえりすぐりを紹介する「皇室写真館」は、天皇、皇后両陛下の長女・紀宮さま(黒田清子さん)の婚約が内定した2004年8~12月を特集します。

 一枚の印象的な写真があります。後ろ姿の皇后さまに、我先にと握手を求める大勢の人たち。新潟県中越地震から発生間もない小千谷市の体育館入り口での場面です。過酷な状況のなかでも、被災者はみな笑顔。ひざをついて声をかけたり、赤ちゃんをおぶった母親と笑顔で握手したり。皇后さまの慈愛に満ちた表情は今も昔も変わりません。

 長岡市内で、バスの窓を開けた天皇陛下が、後方に目を向けている写真もあります。これはバスが通過した後に、背後にいる被災者に気づいた場面だと思われます。こうした両陛下の姿が、象徴天皇として国民の支持を得てきた要因ではないでしょうか。

 8月には、現行警察法の施行50周年にあたり、両陛下は、殉職した警察官や消防隊員が祀(まつ)られた弥生慰霊堂(東京都千代田区)を訪れ、供花をしました。これに先立った7月の式典では、天皇陛下は「近年、国際的なテロの脅威もあり、国民の生命、身体、財産の保護をめぐる環境は厳しさを増しております。警察に対する国民の期待は極めて大きく、任務の重要性はますます高まると思われます」と述べました。

 新潟県中越地震などで2度の延期を経て、黒田清子さん慶樹さんの婚約内定が発表されたのは、2004年12月30日。そろって会見しましたが、見つめあうお二人の写真はとてもほほえましく、見る者にも幸せをおすそわけしてもらえそうな一枚です。