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 谷川俊太郎の詩集『定義』には、何かを言葉で説明することの難しさと驚きがあふれている。身近なコップについて、いざ説明しようとすると、どんなに大変か。詩人はそこから、見えている世界の持つ秘密に肉薄する。

 「猫」にみられる表現「というものは」に、注意してみたい。三章の「実に秘密というものは恐ろしいものだねえ」や、九章の「元来鏡というものは」の一節などもそうだが、七章の洗湯(せんとう)の「奇観」を語り続ける部分にある、「聞いて見るとこれも人間のひま潰(つぶ)しに案出した洗湯なるものだそうだ」の「なるもの」も見逃せない。振り返ってみると、作品の冒頭部分でも、書生の顔を「いわゆる人間というものの見始(みはじめ)であろう」とあり、異次元の世界への驚きが語られていた。

 「猫」の最終の十一章は、迷亭…

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