[PR]

 花粉症の治療薬の選び方や、花粉症に対する体質を変える目的の「舌下免疫療法」について、花粉症に詳しい湯田厚司・ゆたクリニック院長に聞きました。

 花粉症の治療は、以前は花粉が飛び始める1週間ほど前に始めるのがよいと言われてきました。しかし、いまの多くの薬は、花粉が飛び始めたとき、あるいは症状が少しでも出てきたときに始めればよいと考えられています。

 研究の結果、花粉の飛散日から薬を飲み始めても、飛散日の前から飲み始めるのと効果がそう変わらないことがわかったためです。特に、代表的な飲み薬である第2世代抗ヒスタミン薬は、効き目が出るのがとても早く、飲んで20~30分で効果が出ると言われています。

 薬の選び方は、症状がくしゃみ・鼻水が中心か、鼻づまりが中心かで異なってきます。

 くしゃみや鼻水が中心の場合は、第2世代抗ヒスタミン薬が第1選択肢になります。鼻づまりが中心であれば、抗ロイコトリエン薬などが選択肢になるでしょう。鼻に噴霧するタイプのステロイド薬はかつて、症状が重い人向けの薬という位置づけでしたが、最近では初期の段階でする治療の選択肢に加わっています。いまの鼻噴霧ステロイドは血液中に移行しにくく、安全性が高まりました。

 舌下免疫療法は、スギ花粉のアレルゲンを含む薬剤を舌の下に垂らして、体を徐々に花粉に慣れさせようという方法です。私たちは保険適用が認められる前から、この方法の研究に力を入れてきました。最近、発売から2年の間に舌下免疫療法を受けた133人の方の治療成績をまとめたところ、併用する治療薬を必要とせず、鼻と目の症状がゼロないし軽い人が35人(26・3%)に上っていました。この人たちを含めて半数の人によく効き、何らかの効果があった人を含めると9割を占めていました。

 舌下免疫療法は、1年目よりも2年目の方が効果が高く出る傾向がありました。花粉症の改善を実感していただくには、やはり2年以上は続けていただく必要があります。続けることによって、薬をまったく必要としなくなることが最も望まれますが、症状が改善することで、それまで2カ月間必要だった薬が1週間で済めば、それだけでも大きな意味があります。

 毎日続けないといけないので、わずらわしいかもしれません。それと、舌下に垂らす薬の代金を含めてだいたい年間3万円くらいの自己負担がかかります。どんな人に舌下免疫療法が向くのかは、その人の症状や考え方にもよりますので、担当医とよく相談していただきたいと思います。

 なお、舌下免疫療法は、花粉症のシーズン中に始めるとかえって症状を悪化させる恐れがあります。シーズンが終わってから開始することになりますので、注意が必要です。

<アピタル:ニュース・フォーカス・オリジナル>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(聞き手・田村建二)