【動画】青来有一さんと柳美里さんの作家同士による対談も=野崎健太撮影
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 被爆者の証言を毎日伝えている朝日新聞長崎県内版の連載「ナガサキノート」の3千回を記念したシンポジウム「『あの日から』をつなぐ」が19日、長崎市の長崎原爆資料館であった。被爆者が減っていく中、体験を聞いた者が「代弁者」として伝えていくことが大事だと語り合った。

 約250人が参加。パネル討論で、母親が原爆の語り部をしている大野洋子さんは「被爆者や2世、3世だけでなく、体験を聞いた者が伝える役目がある」。語り部の山脇佳朗さんは「残酷さ、非人道性を伝えるのが目的。他人の体験でも自分の言葉で話してもらえば」と話した。

 広島で被爆者の代わりに体験を語っている小林悟さんも「伝承は誰でも、何歳でもできる」と呼びかけ、長崎大生の淵ルリ子さんは「『あの日』は今の長崎とつながっている。日常の中で体験を語っていくことが大事」と話した。

 いずれも芥川賞作家で、3・11後に福島県南相馬市に移住した柳美里(ゆうみり)さん、長崎の被爆2世の青来(せいらい)有一さんによる対談もあった。

 今月2人で訪れた東京電力福島第一原発のある福島県大熊町で感じたことについて、青来さんは「家族がどうなったか知りたい、遺体を見つけたいという思いは長崎も福島も変わらない。寄り添える部分だと思う」。柳さんは「原発事故後、福島の人たちは差別を受けている。被爆者がどう生きてきたのか、聞きたいと思っている」と話した。

 シンポは朝日新聞社が主催し、後援は長崎市、市教委、長崎平和推進協会、NCC長崎文化放送。(江崎憲一)

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